英語の独学ブログが反響を呼んだ新井リオさんによる大ヒット本「英語日記BOY」。そこには、彼が独学で英語に取り組み、海外に留学するだけでなく、海外の方々と仕事をするようになった夢を叶えるいきさつが書かれている。
英語を話せるようになるには、むずかしい単語や文法、値段の高い英会話レッスンが必要だと思っているかたが多いはず。しかし、リオさんは、英語に対するそのような価値観を疑って、安く、かつとてもシンプルな勉強方法で英語を話せるようになった。その秘訣はタイトルにもある通り、「英語日記」にある。
もともとリオさんはバンドを組んでいた。英語の大切さに気づいたのは、そのバンドが、憧れのアメリカのバンドと共演したとき。憧れていたバンドマンと話す際、なかなか英語を話せなかったリオさん自身に愕然としてしまう出来事が起こる。それをきっかけに、リオさんは英語を話せるようになろうと決意したのだ。
そこで、英語を勉強するにあたって、リオさんは「英語が話せる」状態の定義を決めた。それは、「いま言いたいオリジナル英語フレーズが瞬時に出てくること」。なぜならば、会話はフレーズの連続で、教科書に書いてあるフレーズを暗記して口に出す感覚とはまったくちがう。英語での会話は、自分でフレーズを瞬時に組み立てる必要があるのだ。
当時学生で、金銭的にも時間的にも限られていたリオさんにとって、高額な英会話レッスンは厳しいもの。そんなときにリオさんが思いついたのが、英語日記だった。
リオさんは、「日頃自分の身に起こること」「日頃考えていること」を英語日記の題材にした。日本語で書く日記と同じだ。
というのも、将来英語を話せるようになったときに何を話すかどうかを考えると、身の回りで起こることが中心になるはず。リオさんは英語を話せるようになった自分を想像して、そのとき自分が話している内容を英語日記として毎日記録した。
英語日記の使い方として、リオさんはLINEのトーク機能を利用した。自分だけのトークルームを作って、そこに思いついた英語日記のフレーズを投稿。ポイントは自分のわからない単語と一緒に例文とその背景の場面も記載すること。そのことによって、格段に英語が身につきやすくなった。
英語日記のポイントは5つある。それは、自然な日本語で日記を書くこと、一文をピックアップすること、和英辞書で直訳しないこと、意味を考えたうえで声に出すこと、毎日続けることだ。
まずは、1つめ。「自然な日本語で日記を書くこと」。これは、これから先英語を話せるようになったとき、自分がどんなことを話しているのか考えることにもつながる。「いつもどんなことをしているのか」「いつもどんなことを考えているのか」、そのことを意識しながら英語日記を記録する。
2つめの「一文をピックアップすること」。これは、ライティングを勉強するかたにとっては長文の英語日記を書くことがベターだが、ここでの目標はとっさに言いたいフレーズを話せることだ。そのため、書きたい文章のなかでも、「とくにここを伝えたい!」という一文を選んで英語日記にすることが大事。一文だけをピックアップすることによって、覚えやすくなるうえにモチベーションも高まる。
3つめの「和英辞書で直訳しないこと」は、ネイティブのニュアンスで英語を勉強するときにとても役立つ。たとえば、「待ち合わせを約束する」を言いたいとき、インターネットで調べると「have an appointment with〜」が出てくる。だが、これを使うのは医者やビジネスでの場面。友人との遊びの約束では別の表現を使う。そこで、調べたときに出てくる英文を「自分が言いたいこと」に入れ替えることによって、自分だけのオリジナル英語日記を作ることができるようになる。また、Twitterを使ってネイティブのツイートを検索、自分が言いたいことと似たようなツイートを参考にして、「ネイティブならこう言うのか」と発見できる。そのことによってネイティブの使う英語を体で覚えることができるようになるのだ。
そして、4つめの「意味を考えたうえで声に出すこと」。英語日記をただ毎日書くだけでなく、実際に声に出して繰り返し発音することで英語が身につく。5年間英語を勉強してきたリオさんいわく、「フレーズは、実際口に出した回数が多い順で使えるようになる」とのこと。そこでリオさんが英語日記に加えておすすめしているのが「スマホひとりごと練習法」だ。iPhoneのSiriを英語設定にしてフレーズを読みあげてもらったり、Siriに向かってフレーズを話して文章にしてもらう。すると、発音がどんどん矯正されていく。
最後の5つめは「毎日続けること」。というのも、英語をひとりで勉強するにはかなりの意志がないとできない。そこでリオさんが思いついたのは、Instagramで仲間を募って一緒に英語を勉強することだった。同志が見つかればおのずとモチベーションが高まる。また、自分のInstagramのストーリーズで発音動画をアップ、それを繰り返すことでアーカイブの動画を見ながらどのくらい上達したかどうかもわかるのだ。
自分で調べて記録した英語日記。記録するだけでは、その英語がネイティブにとって正しい使い方かどうかわからない。そこで、リオさんはオンライン英会話の講師に英語日記の添削をお願いすることに。
書いた英語が自然なフレーズかどうかを講師にチェックしてもらうことで、英語日記のフレーズが自分のものとして身につく。その積み重ねによって、オンライン英会話の講師とのレッスンでも、自分のフレーズをどんどん口にすることができるようになるのだ。
リオさんは、オンライン英会話でのレッスンのコツは、「受ける」より「使う」にあるという。オンライン英会話は英語を話している理想の自分になるための練習試合のようなもの。それゆえ、レッスンのなかでコミュニケーションを沢山とるためにも、リオさんはとりわけ「フリートーク」と「ニュース教材」をおすすめしている。
オンライン英会話のレッスン中にも「言えなくて悔しい」といった思いをすることが多くなるはず。そのような経験の積み重ねが、さらに自分自身の英語日記のフレーズの数を増やしていく。
英語日記を通して英語を話せるようになったリオさんは、海外留学だけでなく、海外の方々とも仕事をするようになった。ではいったい、どのような工夫をしてリオさんは夢を叶えたのだろうか。
「英語日記BOY」の後半では、海外で仕事をしたいと思っている人たちに向けて、どのような視点で勉強に取り組むとよいのかどうかが書かれている。
そこでのポイントは、理想の自分にタイトルをつけること。「カナダでグラフィックデザイナーとして生計を立てる」ということを目標に掲げたリオさんは、自分の理想の状態にタイトルをつける。それを把握することによって、今自分にはどんな英語の勉強が必要かどうかがわかり、勉強のスケジュールを立てやすくなるのだ。
また、リオさんは、海外で仕事をするには英語力だけでなく自分の持ったスキルを磨かなくてはいけないとこの本で述べている。一点突破するスキルを身に付けることで、英語は初めて意味を持つ。なぜならば、英語はあくまでも一つのコミュニケーションツール。英語を話すことが目標でなく、本当のゴールは英語を話して何かをする自分なのだ。
その後、理想の自分にタイトルをつけることでカナダに留学したリオさんは、グラフィックデザイナーとして現地で仕事をすることに。夢を叶えることができたのだ!
「英語日記BOY」がこれだけヒットしたのは、リオさんの謙虚な人柄だけでなく、英語の勉強に対するこれまでの価値観をくつがえしたところにあるといえるだろう。高価な英会話レッスンに通わずに、TwitterやInstagramといった無料のツールを使いこなすことで英語を話せるようになっただけでなく、海外で仕事ができるようになったリオさんの勉強や努力に対する発想力はすばらしいもの。
そんなリオさんに憧れて海外で仕事をしたいかたもいらっしゃるのではないだろうか?まずは、1ヶ月後の自分を想像してみて、もっと先の夢があるのならば理想の自分を想像し、その自分がどのような場面で英語を使っているんだろうと考えてみよう。そして、普段の何気ないシーンや思ったことなどを、初めのうちは伝わらないものであっても英語でメモを。そのような日々の積み重ねが、将来の自分を変えるはずだ。
ご自身の夢を叶えるためにも、今日から英語日記を始めてみませんか?
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