何気なく日常的に使用する日付。日記を書く際やビジネスの場、カレンダーなど、ほぼ毎日目に触れるものですよね。この日付の書き方、実は国によって異なるって知っていましたか? 日本では「年・月・日」の順番で書くのが通常ですが、この順番すらも国によって異なるんです。そんな日付の書き方について、今日はまとめていきたいと思います。
日付を書く順番は、大まかに3つの種類があると言われています。
1つ目は、国際規格方式(ISO方式)です。この方式では、「年・月・日」の順番で日付を表記します。私たち日本人が最も慣れ親しんでいる方式ですね。日本以外にも中国や韓国などアジア圏を中心に広く利用されており、イランでもこの方式を採用しています。また、ITの世界でもこの規格に則ることが多くあります。
2つ目は、イギリス式(イギリス英語方式)です。この方式では「日・月・年」の順番で日付を表記します。日本の逆パターンですね。イギリスをはじめとしてヨーロッパで広く利用されているほか、オーストラリアやニュージーランド、シンガポール、インド、一部のアフリカの国々など、イギリス連邦加盟国でよく使われています。
そして3つ目が、アメリカ式(アメリカ英語方式)です。この方式では「月・日・年」の順番で日付を表記します。基本的にはアメリカで広く使われている方式です。
この3つの日付の順番をすべて利用しているのが、カナダです。公式には国際規格方式を取ることとなっていますが、受け手に合わせて3つの方式を自在に使いこなしています。カナダ人とやり取りする場合やカナダに行く場合には注意が必要です。
日付の順番で一番困るのが、賞味期限の表示です。数字のみで日付が書かれている場合、どの国で製造されたか、どの国をターゲットにした商品か、で判断する必要があります。私もこれで困った経験があり、どのパターンか悩んだ末、3つのパターンのうち最も近い日付を賞味期限だと自分に言い聞かせることにしました。
日本語では多くの場合、「年」を書く時には「2024年」のように数字で表現します。これは英語でも同じなので、日本語と同じように表記できます。ただし、文頭で年を書く際には注意が必要です。なぜなら、文頭では年を数字で書くことは好ましくない、とされているからです。例えば「2024年は重大な年です。」と書く場合には、 “2024 is an eventful year.” ではなく、 “Two thousand and twenty-four is an eventful year.” あるいは “Two thousand twenty-four is an eventful year.” 、 “Twenty-twenty-four is an eventful year.” と書く方がより良いと考えられています。文頭に置いて数字で年を書いてしまうと、幼稚な印象に映るようです。なので、文頭で年を書かなければならないときは、極力文字で書くようにしましょう。
ちなみに、上記の4つの例文はすべて文法的には正しい表記なのですが、イギリス英語では「and」を含んだ “Two thousand and twenty-four is an eventful year.” 、アメリカ英語では「and」を含めない “Two thousand twenty-four is an eventful year.” という表記が比較的好まれています。
英語で年を表現する際にはそのまま4桁の「2024」で扱うべきか、それとも2桁ずつに分けて「20」と「24」に分けるべきか、迷う方も少なくないでしょう。これに関しては、基本的には好みで分かれます。その時に自分が言いやすい表現を用いれば問題ありません。ただし、前の2桁を省略して後ろの2桁のみに言及する場合は、必ず省略した部分に「’」(アポストロフィー)を記載しましょう。「2024」を省略したい場合には「’24」となります。
英語で「月日」を表現する場合には、方式によって方法が異なります。文字で書く場合には基本的には数字だけではなく、「月」は単語としてつづり、「日」を数字にします。
さらに、アメリカ式で月日を書く場合は、序数(first、secondなど)ではなく基数(one、twoなど)で表記します。注意が必要なのは、話し言葉では序数を使い、書き言葉では基数を使う、という点です。例えば、アメリカ式で「12月13日」と書きたいならば “December 13” と表記することになります。
イギリス式の場合は、基数も序数も両方使われているので、特に気を使う必要はありません。なので、 “13 December”でも “13th December” でも問題ありません。どちらかというと、序数で表現することの方が多くはありますが、必ずというわけではありません。
イギリス式の場合には、「of」を使用して月日を表現することもあります。その場合には必ず「the」をセットで使用する必要があります。このルールに則った場合は、 “the 13th of December” という表記になります。また、「月」を言わずに「日」のみに言及する場合も、 “the thirteenth” と序数を使用します。
日本語と違い、英語で「年月日」を書く際にはコンマの有無、そして位置に注意する必要があります。「月日」の書き方と同様に「年月日」を文字で書く場合には、「月」のみを単語としてつづり、「年」と「日」を数字で記すのが一般的です。
イギリス式では、コンマを使用する必要がありません。ですので、「1989年12月13日」と記載したい場合には、素直に “13December 1989” と「日・月・年」の順に書けば問題ありません。
一方で、アメリカ式の場合には「年」と「日」の後にコンマを入れなくてはいけません。ですので、「1989年12月13日」と記載したい場合には “December 13, 1989” と記載します。 “December 13th, 1989” のような表記は間違いとなるので気をつけましょう。
日付を表す際に、曜日も一緒に表記することも少なくありませんよね。日本では曜日を記載するときには「年月日」の後に曜日を書くのが一般的ですが、英語では基本的に曜日を最初に記載します。これはイギリス式もアメリカ式も共通です。しかし、曜日以降の書き方はそれぞれの方式によって異なります。
イギリス式では、ここまで説明してきたように年月日を「日・月・年」の順で記載し、コンマを使用しません。なので、「1989年12月13日水曜日」と記載したい場合には「曜日・日・月・年」の順にコンマなしで “Wednesday the 13th of December 1989” のように表記します。
アメリカ式の場合には、年月日は「月・日・年」で表現し、「年」と「日」の後にコンマを入れなくてはいけません。このルールは曜日が加わっても変わりません。これに加えて、曜日の後にもコンマを加える必要があります。なので、「1989年12月13日水曜日」は “Wednesday, December 13, 1989” と表記します。
英語で日付を書く際には、「日」を数字にしてそれ以外の「月」や「年」を単語としてつづるのが基本だと説明しました。けれども、「日」を含めてすべてを単語として文字でつづらなければならないケースもあります。それは、フォーマルな言い方が求められる場合です。例えば結婚式の招待状を送る時や、賞状や学位に記載する場合など、格式高い場面では、すべてを文字で表記します。
例えば「1989年12月13日」であれば “the thirteenth of December in the year nineteen and eighty-nine” のように記載します。ちなみに、これはイギリス式のルールに則って記載されていますが、このように非常にフォーマル場面ではアメリカでもこのイギリス式を採用した方が無難だと考えられています。
日本でも数字のみで日付を表すことがありますが、英語でも数字のみで日付を表現することがあります。場面としては日本とほとんど変わりません。例えば、グリーティングカードや日記の上部、記録に使うときです。日本では「/」(スラッシュ)を使用して表現することが多いほか、「・」(点)を使用することもあります。英語ではこれに加えて、「-」(ハイフン)や「.」(ピリオド)を使用するのも一般的です。
イギリス式で「1989年12月13日」ならば「13/12/1989」あるいは「13-12-1989」、「12.13.1989」、アメリカ式では「12/13/1989」あるいは「12-13-1989」、「12.13.1989」となります。電子データなどでは、国際規格方式に則った順序で記載されることも少なくありません。
ただし、月日のみをイギリス式で記載する場合、「.」(ピリオド)の使用には注意しましょう。というのも、イギリスでは時刻を表記する際に「:」(コロン)ではなく「.」(ピリオド)を使用する習慣があります。「12月13日」のつもりで「13.12」と記載したのに、「13時12分」だと勘違いされてしまう可能性があります。さらに、月日を数字のみで表現するとイギリス式とアメリカ式で混乱が生じる場合もあるので、「月」のみを英語で書く習慣をつけておく方が良いでしょう。
文字で単語として記載するにしても、毎回一文字も漏らさずにつづるのは面倒だと思う方もいらっしゃるでしょう。そのような方に朗報です。英語の「月」「日」(序数の場合)「曜日」は省略した書き方があります。ここではそれぞれの省略方法をまとめてお伝えします。
「月」を書く時には必ず大文字で始めます。単語を省略する場合は、基本的に頭の3文字のみを抜き出しますが、例外もあります。省略した場合、単語の最後に「.」(ピリオド)をつけるのがルールでしたが、最近ではそれも省略してしまうケースが増えています。
以下、それぞれの月の省略形を一覧にします。
1月:January→Jan.
2月:February→Feb.
3月:March→Mar.
4月:April→Apr.
5月:May→May
※5月はもともと3文字なので省略できません。そのため文末以外で単語の最後に「.」(ピリオド)がつくことはありません。
6月:June→Jun.
※6月は4文字しかないため、省略せずに「June」と書ききってしまうことも多いです。
7月:July→Jul.
8月:August→Aug.
9月:September→Sep. / Sept.
※9月はSep. / Sept.の2パターンがあります。どちらを使うかの明確なルールはありませんが、「Sept.」の方が良く使われます。
10月:October→Oct.
11月:November→Nov.
12月:December→Dec.
「日」を表現する際に序数を使った場合には、単語をすべてつづらずに「数字+序数を表す接尾辞」に省略することができます
序数を表す接尾辞には、ルールがあります。基本的には「th」を使用すれば良いのですが、いくつか例外が存在します。一の位が「1」「2」「3」の場合には接尾辞は「st」「nd」「rd」となります。ただし、十の位が「1」の場合はこの限りではありません。
「曜日」を英語で表現する際にも、「月」と同様に単語の頭文字を必ず大文字にしたうえで、単語を省略することが可能です。こちらも省略した場合、単語の最後に「.」(ピリオド)をつけるのがルールでしたが、やはり最近では省略するケースが増えています。
以下、それぞれの曜日の省略形を一覧にします。
日曜日:Sunday→Sun.
月曜日:Monday→Mon.
火曜日:Tuesday→Tue.
水曜日:Wednesday→Wed.
木曜日;Thursday→Thu.
金曜日:Friday→Fri.
土曜日:Saturday→Sat.
ここまで、英語での日付の書き方についてまとめてきました。ルールがたくさんあるように思えるかもしれませんが、まずは大まかに自分が使いたい英語の種類を決める、あるいはコミュニケーション相手がどの国・地域の人かによってどちらの方式を使うか、考えてみてください。
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